お酒を飲むのが好きで、友人との会食や夫との晩酌で楽しく飲んでいたはずの私の飲み方がおかしくなり始めたのは、今年二十歳になる子供が二歳になる頃からでした。
初めての子育て、夫の地元引っ越しで、見栄っ張りなところがある私は全部きちんとやらなくてはと思い、でもうまくいかずに悩みました。
今振り返ると、思い込みが激しく一人で空回りしていたのだと思います。
近所の人とも中々馴染めず、人と会うのが非常に苦痛になりました。そのため、地域の集り等に行くときは一杯飲んで出かけるようになりました。そうすると、緊張せず全てうまくやれる気がしたのです。
そんなことを続けているうちに、酒が止まらなくなり昼間から家に閉じこもってひたすら飲み続けるようになりました。夫の叱責・怒号、子供の泣き声....何も聞こえず、ただひたすら飲んで寝ていました。酒が切れると苦しいので、吐いて身体が受け付けなくなっても、震える手で飲み続けました。
もちろん家庭はめちゃめちゃで双方の両親も巻き込み、もうどうしようもない状態で入院しました。自分から入院したと言えば聞こえはいいのですが、家族の皆から呆れられ、疎まれてもう病院に行くしかなかったのです。
自分が酒を止められるとはとても思えない気持ちのままの入院でした。そこで初めて「病気です」と言ってもらい、少しだけほっとしたのを今でも覚えています。
三か月の入院中にアルコールプログラムを終えて、退院してから断酒会に入会しました。
入院中飲まずに過ごして、退院してからも断酒しますと言っても当然のことながら、なかなか信用はしてもらえません。私の夫は、入院中からかなり協力的でしたが、それでもぎくしゃくした関係はすぐには元通りにはなりません。
追い出されないだけありがたいと思いながらも、居場所がないな~つらいな~という気持ちが常にあり、例会通いは息抜きでもありました。
例会に行くと優しく声をかけてくれる人もいれば、同じ病気なのに「女のアル中はみっともないよ。」と言う男性もいて、心が折れそうになったこともありました。
そんな時、アメシストの例会に行き話を聞いてもらうと、とても心が軽くなりました。奥さんが一緒に例会通いをしてくれて支えられている男性会員が多いのに比べて、私たちアメシストの中には旦那さんに嫌なことを言われたり、例会通いを邪魔されたりして困っている人もいました。そんな時も、例会で話をして一緒に泣いたり笑ったりして、帰りは晴れ晴れとした気持ちで帰る。そんなことを繰り返しているうちに、私は嫌なことがあってもお酒に逃げようと思わなくなりました。
平成17年に入会して今年(平成29年)で12年。
今まで再飲酒せずに過ごせたのは、仲間の皆さんのおかげです。ギクシャクしていた家庭内もいつの間にか穏やかになり、夫と子供も一緒に会の行事に参加してお世話になっています。
お酒で困ってどうしたらいいのかわからない人がいましたら、是非断酒会を訪ねて欲しいと思います。私が救われた様に、きっと良い道が見つかるとおもいます。これからもよろしくお願いします。